ところが、朝起きますと、どこにもプレゼントが見当たりません。お父さんにプレゼントのありかを尋ねましたが、「何を寝ぼけているんだ」と叱られてしまいました。
イサカル君はプンプン怒りながら、イエス様に文句を言いに行きました。
「イエス様!昨日言ってたよね!神様は僕のお祈りを全部聞いて、すぐ答えてくださるって!」
「うん、言ったよ。」
「でも、僕お祈りしたのに何にも叶わなかったよ!神様が意地悪してるの?」
「ううん、そんなことないよ。神様はイサカル君がたくさんのお金、ペットのライオン、剣が欲しいことをちゃんと知っておられるし、もう答えてくださっているんだよ。」
「どういうこと?じゃあ、なんで神様はプレゼントをくれないの?」
皆はなんでだと思いますか?
赤ちゃんの目の前にはテーブル、テーブルの上には包丁が乗っています。赤ちゃんは包丁に気付いて、それを欲しがっていますが、テーブルの背が高いので届きません.
そこにあなたが現れます。
あなたは包丁に手が届きます。赤ちゃんはあなたにお願いしました。
「ねぇ、包丁取って!」。
あなたは包丁を取ってあげますか?おそらくそうはしないでしょう。なぜなら、包丁が赤ちゃんにとって危険なものであると知っているからです。どれだけ欲しがっても赤ちゃんのことを愛するゆえに与えません。別のおもちゃを与えることをするかもしれません。
どちらにせよ、赤ちゃんの願い通りではないので、赤ちゃんは不満を持つでしょう。ですが、これが赤ちゃんにとって一番良いことであると、あなたは知っているのです。やがて赤ちゃんが成長し、必要な場面があれば、あなたは信頼して包丁を渡すでしょう。
これが神様の御心です。
私たちは自分の欲求のままに欲しい物、こうなってほしいという願望を祈ります。それがそのまま叶うことを望みます。
また、本人はそれが本当に自分にとって必要なのだと信じ込んで祈るのです。
私たちの創造主、私たちのことを私たち以上に御存知で、愛してくださっている神様はその願いを全てお聞きくださり、本当に必要か、危険ではないか、今必要かを考えてくださいます。
ですから、祈ってすぐに与えられることもありますし、ずっと与えられないということもあります。全く別の形で叶えられることもあります。ですがそれは神様の意地悪でも、気まぐれでも、私たちの祈りの作法の問題でもありません。神様が愛によってすぐさま答えてくださることの証拠なのです。
だから、祈りが聞かれない時、全く違うことが起こった時、祈りや神様に絶望するのではなく、私にはまだ分からない神様の愛の御心があることを思い出して下さい。
神様はあなたにとって最も良いことを与えてくださるお方です。そしていつか、私たちがその御心に気付く時が与えられるのです。
ある町にイサカルという、生まれつき目の見えない男の人がいました。当時、目の見えない人は仕事に就くことができなかったので、イサカルは朝から晩まで道に座り、お金をもらって生活していました。足元にかごを置き、道行く人々に向かって「心のお優しい方、どうか今日生きるためのお金を分けてください!」と叫び続けていたのです。
この日もいつもと同じように道に座っていたイサカル、いつもと違ったのは町にイエス様が訪れていたことでした。イエス様は道に座るイサカルに気付くと、近づいて行かれました。きっとイエス様は目を見えるようにされるのだろうな。私たちもそう思うでしょう。しかし、そうではありませんでした。
イエス様はイサカルの心をよく御存知だったのです。神様にだって治せやしない。僕の目はいつまでもこのままなんだ。そうやって祈ることができないイサカルの心を。だからイエス様は尋ねられました。「イサカルよ、あなたが神様にしてほしいことは本当にお金のことだけかい?もっとお願いしたいことはないかい?」
聞かれたイサカルは今まで恥ずかしくて口に出すことができなかった祈りを叫びました。イエス様なら聞いてくださると信じて、お願いしました。「イエス様、目が見えるようになりたいのです。どうか助けてください!」
今から2年前に、臨ちゃんは我が家にやってきました。
まだまだ小さなリンちゃんはこの世界のことを何も知りません。何がいいことなのか、何が悪いことなのか分からないのです。
そんなリンちゃんですから、散歩のときにはびっくりするようなことがいっぱいありました。
ある日の散歩中、リンちゃんが草むらでガサガサ、何かをしていました。「リンちゃん、どうしたの?」と聞いてみますと、しっぽを振りながら帰ってきました。
すると、何かを口にくわえていることに気付きました。
見ると、それは何と死んだスズメさんでた。
「そんなもの食べちゃダメだよ!」と言って、すぐに離れさせました。
その後もリンちゃんはかえるさんや虫さん、タバコなどいろんなものを食べようとしましたので、その度に「これも食べちゃダメ」と教えてあげました。
慌ててリードをひきました。
「道路に向かって走っちゃだめだよ」とまた教えてあげました。
きっとみんなも同じようにするでしょう。
リンちゃんがけがをしたり、病気をすることがないように、色んな事を教えてあげるでしょう。
リンちゃんからすれば、したいことができないし、したくないことをさせられるのですから、少し嫌かもしれません。
うるさいなぁと思っているかもしれません。
でも、リンちゃんのことを大切に思っているので、好きにしていいよとは言えません。
今日の聖書の言葉に「掟」という難しい言葉が出てきました。
これは神様とわたしたちとの約束事。
「あなたがたはこういうことをしてはいけない」「あなたがたはぜひこういうことをしなさい」とイエス様は言われることがあります。
幼稚園で捧げる礼拝、ごはんやおやつの前のお祈りも、イエス様がぜひしなさいと言っておられることです。
礼拝なんてつまんない、早くご飯食べたいと思うこと、あるかもしれません。
けれども、神様に愛されていることを知り、食べるものが与えられていること、守られていることを知るのは、私たちにとってとっても大事なことなのです。
神様がいつも一緒にいて守ってくださる。そのことを知っていることが私たちの平和だからです。
今日も神様はあなたに語りかけておられます。
危ない目に遭わないように、嬉しく過ごすことができるように。
神様のお言葉を聞いて、ハイと答えられる私たちになれますように。